引っ越し費用(引越代)の受領時期【前編】

引っ越し費用

『引っ越し費用(引越代)は、いつもらえますか?』

相談者・債務者の方から、必ずと言っていいほど質問を受けます。

引っ越し費用(引越代)の原則的な受領時期

原則として、引っ越し費用(引越代)がもらえるのは、引渡(決済)のときです。

つまり、任意売却に係る一連の手続きが完了したときです。

なお、任意売却の決済(引渡)とは、買主様から物件の残代金をすべて受領し、各債権者に対して、借入金の返済を行い、それと同時に、売主様がご自宅に係る鍵を買主様に渡し、所有権移転をする手続きのことをいいます。

任意売却の引渡(決済)の段階で、はじめて、引っ越し費用(現金)が受け取れることになるのですが、このことは当然、引渡(決済)前の段階で、これまで住んでいた自宅から引っ越しをしていることが前提となります。(※一部例外もあります。)

引っ越し費用をもらうために必要な書類

引っ越し費用を確保するためには、引っ越しに係る引越見積書が必要となります。引越見積書が必要となる理由は、売却代金から経費として、債権者に認めてもらう必要があるためです。

また、実際の現金を受け取るには、引っ越しに係る領収書が必要になります。この領収書が必要になる理由は、費用の裏付けを、債権者が、証明書類として求めてくるからです。

(※一部債権者については、証明書類が不要なケースもあります。)

任意売却の前に、実際必要となる資金はどこから?

これを踏まえると、引っ越し費用のためのお金は、引渡(決済)時において、初めて受領できることになります。

裏を返すと、引渡(決済)前の段階では、自分で立て替える必要があるということです。つまり、引っ越しのための資金を、自分で用立てをする必要があるということですね。

なお、多くの一般的な任意売却専門会社の会社ホームページでは、

『引っ越し費用については、債権者が認めてくれる!』

…といった文言が謳われてはおります。

このこと自体は、決して間違いではなく、債権者が経費として認めてくれれば、費用がもらえるのは確かです。

ただ、この実務上の流れとしては、実際の現金受領は、

『立て替えていたお金が、任意売却の引渡(決済)時に戻ってくる。』…という流れでありまして…

改めてこの点を、正しい流れとして、任意売却の相談・依頼前に、きちんと理解をしておく必要があるかと存じます。

引っ越し費用に関して誤解

任意売却の相談をし、依頼をされる方の中には…

『任意売却を依頼した段階で、引っ越し費用がもらえる!』

…と考える方も、少なからずいらっしゃいますが、残念ながら、これは、まったくの誤解です。

(※もちろん、債務者や相談者の方が悪いというわけではなく、任意売却の会社側が、事実誤認させることが原因だと当方は思いますけども…。)

あくまで引っ越し費用は、債権者が認めてくれた上で、確保できるものですので、残念ながら、依頼をした段階では、認めてくれていない都合上、その段階ではでません。

引っ越し費用が確保できると見込まれる時期

なお、引っ越し費用が、概ね確保できるだろうと判明するのは、不動産売買契約を済ませた後です。

つまり、債権者の担当者が、契約書類を元に、稟議をあげて、それが通った後、初めて当該費用の確保の有無や費用金額が見込まれることになります。

(参考:昨今、債権者より捻出できる費用につきましては『引っ越し費用がなく、どうしたらよいでしょうか?【前編】』にどうぞ。)

【補足】

ちなみに、もっと厳密に言いますと、任意売却の(引渡)決済が終わるまで、確実に引越費用が出るかどうかなんて、本当はわからないのですね…。

売買契約後、担保解除にかかる稟議が通ったと言っておきながら、引渡当日、決済場所に来ない債権者だっているのですからね…。

引っ越し費用(引越代)の受領時期【後編】』に続きます。