競売における引っ越し費用(立ち退き費用)

立ち退き費用

競売における物件の買受人(落札者)

競売によって、物件を買い受けた方々というのは、競売物件を主に取り扱う不動産業者や 競売物件を専門に扱う投資家がほとんどです。

法改正も踏まえて、個人の方も競売市場に少なからず参入してきましたが、やはり相対的な数としては、競売を主たる生業とした、転売目的の不動産業者が圧倒的多数です。

競売物件の買受人の基本的スタンス

競売物件の買受人(※以下、連中)は、基本的に、転売を目的に買い受けていますが、その連中が、物件の取得にあたり、一番重要視していることは、コストを極力かけないことです。

当たり前ですね。コストがかかれば、その分転売利益は減るわけですから…・

そんな金儲け重視の連中が常に考える、『占有者(旧所有者)に対する交渉スタンス』というのは、概ね、以下のようなものが、挙げられます。

  • 立ち退き交渉には各種のリスクが伴うので、強制執行を使うほうが良い。
  • 相手(占有者)に、交渉の余地ありと思わせると、甘く見られ、引渡がうまくいかない。
  • 交渉に際しての取り決めは、書面で行う必要がある。
  • 強制執行費用以上の立ち退き料を払うのであれば、強制執行したほうが良い。
  • 買受後すぐに、引渡命令の申立てを行い、占有者が立退かなければ強制執行の申し立てをするべき。
  • 強制執行の費用は、数十万程度の金で済むので、意外にも手間暇が少ない。
  • 基本1円も払う必要はない。

…etcです。

【補足】

ちなみにですが、宅建業の免許を持つ競売会社(不動産会社)でありながらも、ありもしないことをふかして、居住者の方を恐怖に陥らせ、立ち退きを行う連中もいるのです。まったく、ひどい連中ですね…。

競売における引っ越し費用の交渉

債務者自身での引っ越し費用に係る交渉

競売の場合、引っ越し費用(立ち退き費用)の捻出に係る交渉は、当然、債務者(所有者)の方自身が、連中と直接行うことになります。

前記スタンスをご覧いただいて、お分かりだと思いますが、競売物件を扱う連中と、互角に交渉を行うのは、かなり、困難かつ強力な精神力が要求されます。

日頃、交渉になれていない普通の方々が、住宅ローンの返済に苦しんでいるうえに、さらに、引っ越し費用の捻出まで行うなんて、ハード以外の何物でもありません。

怖い系の会社が落札した場合、引っ越しの交渉なんて、正直、嫌ではないでしょうか?

任意売却の会社に依頼をした上で、やむを得ず競売になった場合

もちろん、任意売却を不動産会社に依頼したうえで、何かしらの事情(債権者との売却金額が折り合わない等)で、競売手続きになってしまった場合には、売却の依頼を受けた任意売却の会社が、最後まで、競売に際しての交渉まで、きちんと段取りをとってくれるでしょう。(任意売却の会社であれば、そこまで責任をもって面倒をみてくれるはずです。)

過去に、競売の立ち退き交渉をしていた任意売却の担当者であれば、連中相手の手の内が読めるでしょう。この点においては、そういった担当者がいる任意売却の会社にこそ、任せる意義があります。(※もちろん任意売却で話をまとめることが最優先事項ですがね…。)

総括

競売の場合

上記のような現状を踏まえると、残念ながら、競売の場合、引っ越し費用の確保は、難しい場合が多いと言わざるを得ません。

競売の場合、法律上、買受人が占有者(旧所有者)に対して、引っ越し費用を支払わなくてはならない根拠がないのも、その理由の一つです。

あわせて、競売に関する法改正もあって、買受人の立場が厳格に保護されましたので、強制執行が容易にできるようになったのも、その理由でしょう。(※ちなみに、買受人によっては、話し合いの交渉すらない応じないこともあります。)

任意売却の場合

この点、任意売却の場合であれば、多少なりとも見込みはあります。

引っ越し費用の捻出交渉は、任意売却を依頼した不動産会社が、代理人として、債権者に対して、交渉しますので、交渉に慣れない債務者の方でも安心でしょう。加えて、精神的な負担も軽減できるかと…。

もちろん、任意売却の場合であっても、必ず引っ越し費用の確保が確約できるわけではありません。

ここ最近、債権者が引っ越し費用を認めなくなってきた傾向は確かにあることは事実です。

【参考】

しかしながら、それでもまだ、それなりの金額で引っ越し費用を認めてくれる債権者は少なからず存在します。

したがって、任意売却のメリットを理解して、そのメリットを享受するためにも、もし引っ越し費用を最優先で確保する必要があるのであれば、任意売却での選択を取ったうえで、ローン滞納後の行動をとられるのが、最適な選択肢になり得るのかと存じます。

わかっていただけますか?