引っ越し費用がなく、どうしたらよいでしょうか?【後編】

車と家の引っ越し

引っ越し費用がなく、どうしたらよいでしょうか?【前編】』の続きです。

『今手持ちにお金がないので、引っ越し費用がありません。どうすればよいでしょうか?』

任意売却を検討しはじめた方から、よく質問をいただきます。

引っ越し費用は出ないものという認識が重要

引っ越し費用の準備

通常、分譲マンションや戸建てに住んでいる場合、家族4人で、引越しをした場合には、荷物の搬入・搬出・処分費用等を含めると、大よそ20 ~ 30万円の費用にのぼります。

また、新しい居住先を借りるためには、敷金・礼金、仲介手数料等の費用が必要になります。

このことを踏まえますと、引っ越しに際しては、おおよそ合計金額で、大体60万円~80万円の費用になるかと思います。

債権者によっては、もちろん、50万円ほどの引越費用を認めてくれるとこともありますが、それで全部を賄えるほどには至りません。

よって、足りない費用は、『引っ越し費用がなく、どうしたらよいでしょうか?【前編】』でも述べましたように、任意売却を検討し始めたら、売却活動を行っている期間中、貯金として確保する必要があります。

貯金の源は住宅ローンを支払わないことによって得た資金

任意売却を検討する段階で、住宅ローンの支払いが止まっていることが多いのですが、ローンを払えないでいる一方で、そこに住むための家賃も支払っていないのですから、その代わりにといっては変ですが、この分を、引っ越し費用として、確保しておく必要があるわけです。

住宅ローンが払えず、任意売却をするの状況に至ったわけですが、任意売却後でも、生きていく事実は変わりがありません。

これまでに、収支計画を見直し、新しい居住先で、きちんと家賃を支払って、生活をしていくためにも、任意売却の機会を活用して、できうる限り、家賃相当額を確保して、引っ越しに向けた貯金をしていく必要があります。

引っ越し費用・転居費用に関する留意点

引っ越し費用が、債権者から認めてもらえるのは、前編にて、10万円~30万円と書きましたけども、ここ最近は、あいにく債権者から、引っ越し費用の捻出ができなくなるケースも増えてきました。

これまで、引っ越し費用が認められていたケースで、認められないようになってきたのです。

特に、住宅金融支援機構では、それが顕著です。

住宅金融支援機構の場合、自己破産をしている場合や、また生活保護を受けている場合等といった事情に限り、引っ越し費用が出ているのが現状なのです。

つまり、住宅金融支援機構では、任意売却にあたって、引っ越し費用を控除経費として、認めない方向性に進みつつあるということです。(※ちなみに、この方向性に、他の金融機関も追従する傾向が見られます。)

よって、引っ越し費用に関しましては、基本的なスタンスとしては、出ないものという基本的な認識のもと、それを踏まえた上で、任意売却活動期間中、貯金をして、生活をしていくことがとても重要です。

もし任意売却で、債権者から、引っ越し費用が認められたのなら、恵まれたという認識くらいがちょうどよいと思われます。

総括

債権者が引っ越し費用を認めてくれないときには、買主側に引っ越し費用という名目で、費用の捻出をお願いする等、それなりの解決策は存在します。

ただし、その場合は、買主側が了承が欠かせなく、確実にできるかどうかは、一概には言えません。

状況次第では、任意売却の契約が流れてしまうことも大いに考えられます。(そうなってしまうと、競売の手続きにて進む方法になります。)

もちろん、任意売却の専門会社であれば、引っ越し費用が出るように最大限の努力はしてくれるでしょう。また、任意売却の引っ越し時期(退去時期)なども、誠心誠意、依頼人の利益を最優先し、依頼人のために、動いてくれるはずですので、精神的な負担が軽減されるのは間違いないでしょう。

ただ…それでも、現実としての方策・解決法には、限界があります。

よって、任意売却をスムーズに実現するためにも、引っ越し費用の確保に関しましては、原則は、債務者の方が、捻出する前提でお考えいただくことが、何より重要です。

(※期待していた引っ越し費用が債権者に認めてもらえず、任意売却が成立しなかったのなら、恐らく一番つらい思いをするのは、債務者の方のご家族でしょう。)

自分自身で、引っ越し費用の捻出ができたのなら、それは、任意売却後の新しい生活で、収支に見合った生活ができるとも言えるわけであります。

債務者の方におかれましては、このことを何卒十分理解していただきたいと存じます。