引っ越し費用がなく、どうしたらよいでしょうか?【前編】

車と家の引っ越し

『今手持ちにお金がないので、引っ越し費用がありません。どうすればよいでしょうか?』

任意売却を検討しはじめた方から、よく質問をいただきます。

引っ越し費用がないことについて

そもそも住宅ローンを支払える余裕がないので、住宅ローンの支払いが困難になり、住宅ローンを滞納して、任意売却を検討されるのであります。

もし、引っ越しをするためのお金があれば、恐らく、住宅ローンの支払いは、滞りなくされていたと考えられます。

よって、上記質問される主旨は、ある意味、自然なことではないかと当方は考えます。(逆に、引っ越しするお金があるのに、ローンが支払えない状況は、流れとしては、やや不自然さがあるようにも…。)

この点は、任意売却を担当する不動産会社であれば、引っ越し費用がない債務者の方は、ごく普通に遭遇する状況ですので、あまり驚かないでしょう。

不動産を売却自体、普通の方であれば、めったにあることではありませんので、債務者の方が、引っ越し費用がないことについて、心苦しく思われるのは、至極もっともなことです。

【補足】

一応申し上げますと、任意売却をされる方の多くが、ほぼ皆さん、同じ状況です。

住宅ローンの支払いが困難になり、結果、任意売却をしなくてはならないような債務者の方の多くは、既に預貯金を取り崩して、手元には現金がほとんどないのが実情です。

任意売却における引っ越し費用の捻出

原則的な捻出方法は貯金

当然のことですが、引っ越し費用がなく、引っ越しができない状態では、任意売却は成立いたしません。

売却活動を始めた後に、買い手が現れたとしても、引っ越しができないのでしたら、自宅を引き渡すことはできません。

任意売却は、普通の不動産売却と、ほとんど同じです。当然のことながら、不動産を引き渡しする前の段階で、引越しを終えておく必要があります。

任意売却の契約が成立した後、引っ越しができない状況を避けるためにも、まずは、任意売却を検討し始めた段階で、引っ越しの費用を貯金として、確保していくことが、債務者の方におきましては、最優先事項となります。

債権者側の引っ越し費用に対する取扱い

もちろん、債権者(金融機関、保証会社、債権回収会社等)としても、住宅ローンを滞納し、任意売却をする状況であるのなら、債務者の収支状況くらい、容易に想像できはずです。

引っ越し費用がないことなど、言わずもがな…なのです。

この点に関しては、債権者側としては、債務者の方の引っ越し費用がない現実を前提としています。引っ越し費用がないと、任意売却の手続き・処理が進まないことは、当然、周知の事実なのです。

よって、任意売却の手続きが進まないというこの課題を解消すべく、債権者が例外的に認めた方法が、いわゆる、任意売却の売却代金の中から、控除経費として認める(支払う)やり方です。

【関連事項】

任意売却を検討された方であれば、ご存じでしょうが、任意売却を生業とする会社のホームページなどで…

  • 「任意売却の場合、債権者が引っ越し費用を負担してくれます。」
  • 「任意売却の場合の退去費用は、私共専門業者が依頼人の代理となって行いますので、ご負担は一切かかりません。」
  • 「任意売却なら、引越し費用を出してもらえ、当面の生活資金などで便宜を図ってもらえる場合があります。」

…といった文言が並んでいますが、こうした任意売却のメリットは、まさに、債権者が引っ越し費用を控除経費として、認めてくれるからこそ、実現できるものであります。

だいぶ前の任意売却における引っ越し費用の捻出

かなり前の任意売却であれば、引っ越し費用のみならず、当座の生活費を含めたうえで、物件の売却代金の中から、債権者が控除経費として、引っ越しに付随する諸々の費用を、引っ越し費用として、認めてくれたこともありました。

金額的には、100万円以上の引っ越し費用もありました。

ただ、これは、かなり昔(最低でも5年以上前)の話です。

例外はありますけども、今現在、普通の任意売却の案件で、このような金額がでることは、まずないです。100万円なんて…ありません!

現在の任意売却における引っ越し費用の捻出

ここ最近の任意売却の引っ越し費用としては、100万円の半分、つまり、50万円の金額がでれば、まさに御の字でしょう。50万円の引っ越し費用が捻出できれば、ありがたいと考えるべきです。

通常、現在の任意売却における引っ越し費用の捻出相場としては、10万円~30万円のあたりになるかと思われます。

ちなみに、この金額は、住宅金融支援機構における控除経費として、認めれている引っ越し費用の控除金額の基準でもあります。

なお、住宅金融支援機構の費用控除一覧につきましては、『任意売却にあたって、費用はどれくらいかかりますか?』を参考にぜひどうぞ。

最近は、その他の金融機関、保証会社、債権回収会社等が、この基準に合わせてくるようになりましたね。この基準、任意売却の担当者としては、正直、やりづらいです…。

引っ越し費用がなく、どうしたらよいでしょうか?【後編】』に続きます。