自己破産をした後に、任意売却をした方が良いのですか?

自己破産後に任意売却

『自己破産をした後に、任意売却をした方が良いのですか?』

相談者の方から、このような質問をよくいただきます。

任意売却後の自己破産のメリット

上記の質問に対する回答としては、『自己破産のに、任意売却をした方が良い。』という回答になります。

基本的には、自己破産を選択することを前提とした場合、任意売却をした後に、自己破産をされたほうが、一般的に、それなりのメリットが高いでしょう。

その理由は、『自己破産における各種費用を軽減させることができる』からです。

以下、自己破産前の任意売却に関するメリット(費用軽減の理由)の説明です。

費用が軽減できる理由

自己破産には、「管財事件」「同時廃止」というものがあります。

「管財事件」の場合の費用と時間

破産者に資産があれば管財事件として扱われることになります。なお、任意売却を行う前に破産を選択するケースは、通常、管財事件となることが多いです。

不動産を保有する場合、仮に債務超過の場合であることがわかっていても、裁判所が財産があると認める場合には、同時廃止とならず、管財事件となるわけであります。

当然、管財事件となれば、破産管財人の費用がかかってきます。

破産管財人の費用は、最低でも50万円以上かかるはずでしょう。また、管財事件の場合、手続き自体に時間(半年から1年)がかかります。

その他にも、弁護士に相談をして、当該弁護士が、破産の申立を行うともなれば、弁護士費用が別に数十万円かかるでしょう。

よって、管財事件の場合、コストとしては、高くつき、手続き的としては、多くの時間を要します。

「同時廃止」の場合の費用と時間

一方で、任意売却を先に行い、資産がない状態、つまり、めぼしい財産が無い場合には、自己破産の手続きにおいては、同時廃止として扱われます。この場合かかる費用は、自己破産の申立てを債務者自身で行えば、費用は3万円程度で済む計算になります。

また、同時廃止の場合、手続きに係る時間も2か月から3ヶ月といった短い期間で終わります。

費用軽減に関するまとめ

お金がないから、自己破産をするわけですが、自己破産をするために、別途費用がかかることを踏まえると、何とも変な話です。

70万~80万円のお金を用立てするのは、債務者の方にとってみれば、並大抵のことではないでしょう。ちなみにご夫婦2人ともなれば、費用がその倍かかる計算になります。この費用は、破産を検討する人にとっては高額なはずです。

債務者の方にとっては、自己破産に係る管財人費用や破産申立費用も、債務を免除してほしいのが本音でしょうが、さすがに、弁護士や裁判所への費用まで棒引きするわけにはいきませんので、これは仕方ありません。

よって、自己破産前に、不動産を任意売却し、資産がゼロになった状態で、自己破産をしたほうが、コストとしては、メリットが高いわけであります。

なお、債務者の状況や借入債務残高、物件の売却見込金額次第によっては、明らかに、債務超過であると、裁判所が認めた場合には、不動産があっても、同時廃止と認められて、自己破産ができる場合があります。

自己破産後の任意売却になってしまう理由

住宅ローンの滞納が発生する前の段階であれば、銀行などに相談をして、リスケジュールなどの選択も可能であり、また、金融機関の担当者によっては、任意売却の話を持ち出されることもありうるでしょう。

ただ、現実問題としては、ローン返済に関しては、多くの場合、なす術が分からないまま、必然的に、ローンの滞納が何ヶ月か続くことが多いです。

その結果、いろいろと調べる余裕もなく、心理的にもかなり辛くなった状態で、債務を整理する主とする法律専門家である、弁護士などに相談するケースがほとんどなわけです。

多くの方が、いまだ任意売却という言葉や方法を知りませんので、任意売却の会社に相談することなんて、まったくもって思いもつかないのです。

当然、弁護士などに最初に相談をした場合、9割以上の弁護士は、自己破産を勧めてきます。

弁護士の報酬は、破産申立の手続きを受任することによって、成り立つわけですので、これを考えれば、ごく当たり前のことです。

そんなわけでありまして、そういった経緯がありまして、自ずと、自己破産の申し立てが、手続き的に前段階としてなってしまうわけなんですね。

(もちろん、決して弁護士や司法書士の先生の対応に、問題があるという意味ではありません。)

総括

さっさと自己破産をすれば、気持的にも楽になり、返済義務から逃れられるでしょう。ローンの返済に苦しんでいる方が、選択したいのは、辛い気持ちから解放であるのは、わかりきっています。

ただ、任意売却で、自宅を処分した後に自己破産をした場合のほうが、いろいろな面において、メリットがあるのは、上記で述べました通りです。

よって、『自己破産をした後に、任意売却をした方が良いのですか?』という質問を、もし考える余裕があるのでしたら…

ぜひ上記の事柄を改めて理解していただき、任意売却の専門会社に早期に相談をしていただきたいと、任意売却の担当者としては、心の底から、思うわけであります。