任意売却後の住宅ローンはどうなるの?

どうなる?

『任意売却後の住宅ローンは、どうなりますか?』

『任意売却をした後の残った債務(残債務)はどうなりますか?』

債務者の方から、相談時によく質問をされます。

任意売却後の残った債務(残債務)

任意売却をした場合であっても、また、競売になってしまった場合であっても、売却金額が住宅ローン総額(借入債務)を上回らない限り(※完済をしない限り)においては、当然、債務は残ることになります。

任意売却によって、債務超過の状態である不動産の担保解除ができたとしても、それはあくまで、担保を解除するだけの話です。

残ったローン(残債務)に関する誤解

この点、任意売却をされる方の中には…

『任意売却によって、債務がなくなる!』

…と勘違いされている方が稀にいらっしゃいます。

残念ながら、これは、まったくもって誤解です。早とちりですね。

言うまでもなく、任意売却をしても、ローンが残ることを、肝に銘じておかなければなりません。

残った債務(残債務)からすべて解放されるほど、日本の法律は甘くはありません。残ったローンは、リコースローンといって、無担保の債務として残るわけです。これは、アメリカなどのノンリコースローンとは大きく異なるところですね。

残った債務(残債務)の支払いに関しては、銀行などのこれまでの窓口ではなくなりますが、保証会社や債権回収会社(サービサー)などの債権者に対して、一応形式的に引き続き支払っていくことになります。

残ったローンについての多くの方々が思う気持ち

やむを得ず、自宅を手放し、売却した上で、さらに継続してローンを支払う日々が続くことを考えると、債務者の多くの方が、かなり気が滅入ってしまわれるのも必然です。

むしろ、残債務に関して、前向きにとらえられる方の方が稀です。これは、当たり前のことですね。

せっかく自宅を手放す決意をしたのに、『これでは、任意売却をする意味はない!』と、率直に捉えられるのも、決して無理なことではありません。

事実、この残ったローン(残債務)に関して、気持ちをスッキリとさせたいがために、任意売却した後に、あえて自己破産を選択される方もいらっしゃいます。

散々、住宅ローンの返済に苦しんだのに、それなりの債務が残るともなれば、誰だって、嫌ですよね…。

任意売却後における現実の残債務の支払

しかしながら、任意売却後、現実の残債務の支払金額については、多くの場合、月額5000~20000円程度の金額にて、債権者と債務者との間で、支払の合意が交わされているのが実際です。(※中には、0円の方も…いらっしゃいますね。)

つまり、任意売却後の残債務の支払金額は、これまでの毎月の支払金額よりも、はるかに低い金額になり、限りなく負担がないのが実情なのです。

結局のところ、前記述べた心配事は、多くの場合、杞憂として終わっているというわけであります。一応形式的に引き続き支払っていく…と書いたのは、そうした理由だからです。

事実、当初、任意売却後に自己破産を考えていた方も、お金がもったいないので、自己破産の選択を止めるケースや、また、月額数千円の支払いで何とかなっているので、ローンに関しては気にせず、普通に生活をされているケースが多いです。

残った債務(残債務)の減額交渉

多くの債務者の方の場合、任意売却後における現実の残債務の支払金額については、債務者自身が保証会社や債権回収会社などの債権者と交渉して、決まっています。

つまり、毎月支払える金額の範囲内で、減額に関する申入れをして、返済の負担を減らしてもらっているとわけであります。

なお、この減額交渉は、任意売却を取り扱う不動産会社が、代理人として、間にたって交渉を行うことは、あいにくできません。債務に関する交渉業務は、法律事務として、原則、弁護士しかできないからです。

ただ、減額交渉自体は、特段難しいものではありません。任意売却をされた、ほとんどの債務者の皆さんが、ご自分で行っていらっしゃいます。

話し合いによって落ち着く金額は、通常、支払える範囲内での金額となりますので、あえて弁護士等の専門家に依頼をする必要がないのが、その大きな理由です。(※弁護士などに依頼するお金がないのも、理由の一つですが…。)

残ったローン(残債務)に関する留意点

残ったローン(残債務)に関しては、月々の返済金額の減額ということであり、総額としての残債務が、あいにく減額されるわけではありません。

つまり、月々の支払金額の話でありまして、総額の支払金額自体が減額されるということでないということです。

なお、この総額債務の減額交渉は、また別の交渉ステージで行われることになります。ほとんどの場合、任意売却をした段階では、この交渉は、行われませんので、注意が必要です。(※この話はいずれまた…。)

まとめ

任意売却を行うにあたっては、任意売却後も、債務が残ることを前提に継続して支払っていく必要がありますが、その支払金額自体は、通常、無理のない範囲内での支払金額となりますので、債務が残ってしまうことに対する過度の心配は不要です。

債務が残るからといって、破産を考える方もいますが、余程のことがない限りは、あえて破産をする必要もありません。お金もないことですので…。

また、残債務の減額交渉自体は、任意売却専門会社の担当者にきちんと確認をすれば、ある程度の範囲内のことは教えてもらえるはずでしょう。この点は、任意売却の依頼時に、理解ができるまできちんと確認されることをおススメ致します。

何事も、中途半端な対応で、終わらないように、あらかじめ注意点を確認しておくことが大事ですね。

なかなか理解が難しいですが、わかっていただけましたか?