住宅ローン滞納から任意売却・競売までの簡単な流れ

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住宅ローン滞納から任意売却・競売までの簡単な流れ

以前に、『住宅ローンを滞納すると、どうなるの?』と記事でも書きましたが、改めて住宅ローン滞納当初からの任意売却・競売までの流れを簡単に、まとめてみました。

  1. 予期せぬ収入減などの事情で、住宅ローン返済が困難
  2. 1~2ヶ月目の住宅ローン滞納にて、金融機関より支払の催告(督促)
  3. 3か月目の住宅ローン滞納にて、期限の利益喪失及び最終通告
  4. 4か月以降の滞納にて、一括弁済請求及び保証会社への代位弁済手続き
  5. 代位弁済後、保証会社より一括弁済請求及び任意売却の提案
  6. 任意売却に応じない時、法的手続き(競売)の申立
  7. 競売開始決定後、裁判所から執行官や評価人の現地調査
  8. 現地調査の数か月後、期間入札及び開札(落札・買受)
  9. 買受人との話し合い交渉及び引渡
  10. 買受人との交渉が決裂の場合、明渡に係る強制執行手続き

上記簡単な流れの注釈

1.予期せぬ収入減などの事情で、住宅ローン返済が困難

予期せぬ勤め先のリストラや倒産などで、収入減が起きてしまい、住宅ローンの支払いに苦しむようになります。

2.1~2ヶ月目の住宅ローン滞納にて、金融機関より支払の催告(督促)

最初に、住宅ローンを滞納すると、すぐに金融機関から、口座引き落とし未納のお知らせ等に係る催告書(督促状)などが届きます。債権者の状況に応じて、電話や直接の訪問等もあります。

言ってみれば、あの手この手で、支払いを行うよう督促をしてくるわけですね。

基本的には、支払いがなされるまでの間、支払いをするようしつこく請求されます。この期間は、次の期限の利益喪失までの3ヶ月の間続くことになります。

【補足】

もし、この段階にて、月々の住宅ローンの支払金額の見直しに関する申し入れをすれば、相談に応じてもらえる可能性もあります。

3.3か月目の住宅ローン滞納にて、期限の利益喪失及び最終通告

3か月続けて、住宅ローンが払えないと分かると、期限の利益喪失を通知し、滞納分を含めた借入金残高を一括して支払うよう、最終通告がなされます。この段階では、金融機関の対応は、がらりと変わってしまいます。

金融機関としては、半ば代位弁済によって、債権を回収しようとするスタンスすら見受けられます。

4.4か月以降の滞納にて、一括弁済請求及び保証会社への代位弁済手続き

一括弁済請求をした後、債務者が応じないのであれば、金融機関が、保証委託契約に基づいて、保証会社に対して代位弁済手続きを請求することになります。

5.代位弁済後、保証会社より一括弁済請求及び任意売却の提案

保証会社が、金融機関に対し、連帯保証人として、住宅ローン滞納に係る借入金等の代位弁済を行った結果、債務者に対して、当該事実に基づく求償権を取得することになります。

求償権行使の一環として、保証会社は、債権回収の最大化の観点から、借入金(債務)の圧縮を図るべく、不動産の換価処分を行うように、話を持ちかけます。

つまり、任意売却(自宅の不動産売却)の提案が、保証会社より、持ちかけられるということですね。提案を持ちかけるのは、任意売却の場合であれば、高値での売却が見込めるからです。

このことは、『任意売却のメリット』でも述べた通りです。

もちろん、任意売却の提案は、必ずしも保証会社からあるわけではありません。保証会社が積極的な任意売却の取り扱いをしておらず、また、任意売却によって、債権の最大化が図れないと、判断した場合に、任意売却の提案自体はないこともありえます。

【補足】

この段階で、任意売却の専門会社などに相談をすれば、余裕を持った計画的な任意売却ができます。

6.任意売却に応じない時、法的手続き(競売)の申立

債務者が任意売却の提案に応じない場合、借入金の圧縮ができません。

この場合、保証会社は、法的手続きによって、不動産を換価して、債権を回収しようとします。この法的手続きが、競売の申立ということになります。

7.競売開始決定後、裁判所から執行官や評価人の現地調査

競売で、物件が公にされて、買受人が買受けられるよう、自宅不動産の調査が行われます。

この調査は、鍵をかけていても、法律に基づいた国家権力の元、強制的に室内に立ち入られることになります。

【補足】

競売開始決定がなされると、裁判所では、配当要求情報が公告されることになります。この配当要求情報に基づいて、海千山千の不動産業者が、いろいろな手を使い、任意売却の話を持ちかけることとなります。変な業者に騙されないためにも、業者のトークには十分注意が必要です。

8.現地調査の数か月後、期間入札及び開札(落札・買受)

裁判所の執行官が現況調査報告書を、書記官が物件明細書を、評価人が価格に関する評価書を作成し、いわゆる、3点セットを取りまとめます。

そして、現地調査の数か月後(※裁判所によっては、半年後)には、期間入札が行われ、自宅に係る情報が公にされます。

期間入札の後の、開札期日に、札が入れば、一番高い金額を入れた人が、最高価買受人となり、当該不動産(債務者の方の自宅)を買い受けることになります。

【補足】

買受人が、代金を納めれば、不動産の所有権は、買受人に移転されてしまいますので、必然的に、債務者(ないし所有者)である居住者は、不法占拠者となってしまいます。

9.買受人との話し合い交渉及び引渡

買受人が、所有者としての地位に基づき、債務者(ないし所有者)である居住者に、早期に立ち退くよう、引渡を求めてきます。

引っ越し費用などの交渉も、この時できれば、行います。

ただ、ここ最近は、引渡に際して、引っ越し費用をまったく認めない買受人も多くなりましたので、引っ越し費用の捻出は、あまり期待しないほうがよろしいです。

10.上記交渉が決裂の場合、明渡に係る強制執行

買受人との任意の引き渡しに関する交渉が決裂した場合、買受人は、明渡に関する強制執行によって、不動産の引渡を実現しようとします。

簡単な流れのまとめ

上記の簡単な流れをご覧いただいて、お分かりの通り、代位弁済後の債権者に対する対応が、任意売却を行う上で、とても重要なポイントとなります。

この時を逃してしまいますと、競売の手続きが進行してしまいますので、結果として、競売における辛い状況に直面することになります。状況によっては、早く引き渡しをしなければなるでしょう。

任意売却や競売に関する引っ越しについては、『任意売却をした場合の引っ越し日は?』でも書いたとおりですが…

競売の手続きを遅らせるためにも、また、任意売却のメリットを最大限受け取るためにも、まずは、住宅ローンを滞納した段階で、任意売却の専門会社に問い合わせをし、引っ越しの時期について、何とかならないのかを、相談をしてみるのが良いでしょう。

任意売却に関する申入れをするかしないかで、大きく任意売却の流れが変わってきますので、早めの行動が望ましいです。

何事も早めが肝心ですね。わかっていただけましたか?