親御様への医療費(治療費)がかさんで任意売却

かさむ医療費

出費がかさみ、住宅ローン返済ができずに任意売却

住宅ローンが支払えなくなり、任意売却をするケースというのは、何も売上の減少や収入減に限られるわけではありません。

支出が増えた結果、収支が逼迫し、資金繰りを行うため、消費者金融から借入を行い、利息がかさんだ結果、さらに、収支が逼迫し、ローンが支払えなくなってしまうのです。

支出が増える最たる例は、医療費(治療費)が挙げられます。

医療費がかさんだ結果、任意売却をしたAさんのケース

親御様の医療費への支払いが増えてしまったAさん

Aさんは、都内の中小企業に勤める50代前半のサラリーマン。

数年前に奥様と離婚をしてからは、郊外にある戸建のお住まいに、御父様と一緒に暮らしていました。

お子様は、既に社会人となっていたため、特に負担となるような支出はなく、平穏に暮らしていたのでした。

ところが、御父様が、高齢であったことで、病気で長期にわたって入院をすることになってしまい、突如、医療費(治療費)への出費が増えていったのでした。

入院当初は、Aさんの収入の中から、やりくりができていましたが、あいにく、勤めながら、看病は予想外にも大変。

そのこともあり、多少なりとも仕事へと影響が及ぼされて、収入の一部が歩合であったこともあり、収入は伸び悩み、次第に収支が逼迫するようになっていったのです。

他の借入によって、ますます苦しくなっていくことに…

一時期、それなりにあった貯蓄も、親御様の入院とともに、急速になくなり、貯蓄によって、これまでは足りない分を補っていましたが、それも時間とともに限界に…。

次第に、カードローンや消費者金融での借入をするようになって、資金繰りを行うようになっていったのです。

その結果、高い利率によって、支払い手数料が大幅に増え、さらに収支を圧迫させ、住宅ローンの返済が困難になってしまったのでした。

任意売却の決意

長年にわたって、懸命に看病してきた親御様も、病状が急変し、治療の甲斐もむなしく、悲しくも、他界されてしまうことに…。

看病による疲労と親御様との別れの中で、Aさんは茫然自失の状態に。

ふと気づけば、住宅ローンは、6ヶ月滞納していた状態。

以前は、家族みんなで仲良く暮らしていたご自宅も、離婚や親御様との別れで、いつも間にか、薄れてしまったAさん。

住宅金融支援機構から送られてきた任意売却の書類を見て、自宅売却を決意。

Aさんは、インターネットで、任意売却の会社を探し、改めて売却依頼をされたのでした。

任意売却の活動開始

Aさんの自宅(戸建)は、郊外にある最寄り駅からかなり離れた場所に位置。あわせて、室内の状態も、リフォームが必要と見込まれる状態。

そのため、内覧の希望自体が少なく、内覧があっても、見栄えがあまりよくなかったもあり、売却活動はかなり難航。

しかし、住宅金融支援機構が競売の申立をしようとする段階にて、何とか買い手が現れ、8ヶ月ほどで、任意売却が実現したのでした。

その後のAさん

任意売却後の債務は、2000万円ほど残ることになりましたが、住宅金融支援機構へ、現在の生活状況を説明し、支払いが難しいことを認めてもらい、わずかながらも支払金額で了承がもらえました。

他のカードローンや消費者金融からの借入も、「自己破産せずに、何とか返していきたい」という強いAさんの思いもあり、任意売却後の債務とあわせて、支払いを継続されていきました。

まとめ

治療費への支払は、家族のためのものですので、削るわけにはいきません。

多少なりとも、収入の範囲内で余裕があれば、治療費への支払いも何とかなりますが、通常、住宅ローンを組んでいる方の多くは、ローン返済比率が高いです。

収入が伸び悩む中では、わずかな出費でも、ローン返済が困難となる可能性は高くなります。

購入に際しては、ぜひ余裕を持った購入計画が重要かと思います。

なお、既にローンを組んでいる方に関しては、医療費などの出費が増えた段階で、早期の任意売却を決断できれば、他の借入を行わず、高い利息の借入負担を避ける事ができます。

状況に応じては、看病や介護に専念するため、仕事を退職することさえあります。

住宅を購入するときには、ここまでなかなか考えられませんが、医療費(治療費)の負担によって、現実に任意売却がなされていることを、ぜひご理解していただければと思います。

補足

医療費(治療費)などの出費以外にも、お子様への教育費の出費がかさむケースも少なからずあります。

下記事例は、結果としては、買戻し(リースバック)により、任意売却をして、住み続けられたのですが、各種出費の負担が伴い、ローン返済が困難となったケースでもあります。

参考:『住み続けることができる任意売却