任意売却に関連する費用負担について

費用負担

任意売却における負担費用

任意売却をする場合、売却に際しての費用はかかりません。

ただし、その意味合いは、『任意売却の費用はどれくらい?【前編】』でも述べましたように、現金負担がないという意味です。

例えば、住宅ローンの残債が4000万円あり、3000万円で自宅の任意売却をする場合、3000万円がそのまま、債権者への返済に充てられるわけではありません。

通常、3000万円の物件を売却した場合、諸費用として、不動産売買仲介手数料(約100万円)や抹消登記費用(※数万円)などの費用がかかりますが、任意売却の場合、この費用が、売却代金から控除されることとなるのです。

仮に、引越し代(30万円)含めた、諸費用の合計金額が135万円となるときには…

3,000万円(売却代金)―135万円(諸費用)=2,865万円(返済金額)

…となり、2,865万円が債権者への返済に充てられます。(※複数の債権者がいた場合には、さらに当該債権者に配分されることとなります。)

なお、諸費用が売却代金から控除される理由は、任意売却に際し、諸費用を、売却依頼主へ負担を求めれば、売却が進まなくなるからです。

参考:『任意売却で引っ越し費用がもらえる理由

任意売却にて、現金負担がある費用・ない費用

売却依頼主に係る現金負担がない費用(控除費用)

任意売却では、様々な費用が差し引かれます。

実際には、どのような費用が控除されるのか、以下、ポピュラーなものを挙げてみました。

  • 不動産売買仲介手数料
  • 滞納している管理費修繕積立金(※マンションの場合)
  • 抹消登記費用
  • 引っ越し代(※債権者が認めてくれた金額)

意外にも少なく感じられるかもしれませんが、これは、もっともなことです。

債権者は、債権を最大回収することが目的だからです。

(※住宅金融支援機構の費用控除基準:『【質問1】任意売却にあたって、費用はどれくらいかかりますか? 任意売却|初めてのご相談はファイア・ワーカーズ』)

【補足1】

上記のような費用が、任意売却にあたり、必ずしも差し引かれるわけではなく、個別のケースによって変わってきます。

【補足2】

債権者が競売を申立した場合、競売申立費用がかかります。

競売申立費用は、競売手続きでは、共益費用に該当し、金額的にも大きいことから、売却依頼主が持ち出しの費用となることはありません。

売却依頼主に係る現金負担がある費用(控除されない費用)

その一方で、売却にかかる費用については、債権者は売却が進まないからといって、すべて認めてくれるわけではありません。

上記のようなものを除いた費用、つまり、債権者が認めてくれなかった費用や、金額的に些少とされる費用については、売却依頼主様の現金における費用負担となります。

以下、一例です。

  • 住民票や印鑑証明書などの書類取得代
  • 書類の郵便代
  • 交通費
  • 引っ越し代(※債権者が認めてくれなかった部分の金額)
  • 使用代に相当する、管理費や修繕積立金を除いた滞納金(※マンションの場合)

参考:『任意売却の費用はどれくらい?【後編】

まとめ

上記した費用項目は、任意売却の流れの中で、かかると想定された費用を記したものです。

もちろん、任意売却を依頼する前に、弁護士へと相談依頼をしていた場合には、持ち出しとして、実費(相談料や着手金など)がかかります。また、任意売却した後、破産を選択した場合にも、破産のための費用がかかります。(参考事例:『任意売却にかかる費用』)

なお、一部のコンサルティング会社に相談をした場合、別途、現金負担がある費用(相談料)がかかることもあります。(参考:『任意売却にかかる諸費用が掲載されているか?』)

ローンを滞納するようになった段階で、一番大事なのは、正しい知識に基づき、極力支出を減らすことです。

この点、早期の相談が大事であることは言うまでもありません。

可能な限り、支出を減らし、資金を蓄えるためにも、適切な相談先が重要です。

何卒、任意売却に関連する費用を、総合的な観点から、把握されて、ぜひご理解いたきたいと存じます。