債務が残る不動産売却が任意売却

債務が残る場合の不動産売却

債務を残して行う不動産売却のことを、通常、任意売却と呼びます。

この「任意売却」という言葉は、あまり馴染みがないものなので、今でも知らない方も結構多いです。

参考:『任意売却を知らないことによって生じる誤解

そして、それを知らない方は、一般の方に限りません。

ごく身近にある最寄りの不動産会社でもよくあるのです。

債務が残るから売却できないと言われたMさん

会社の倒産によって、住宅ローンが支払えなくなったMさん

景気悪化により、勤め先の会社が倒産し、収入源を失ってしまったMさん。

失業保険で食いつないできたのでしたが、奥様と3人のお子様を抱えての東京での生活は、非常に大変であり、40代後半という年齢も重なり、前職と同条件の再就職は大変困難でした。

次第に住宅ローンの支払いも難しくなってきたため、Mさんは、家賃負担がない北海道にあるご実家への帰郷を検討するようになっていかれます。

最寄りの不動産会社に売却の相談をしたら…

実家に戻って、ご家族を養っていくためには、自宅を売却し、債務を圧縮する必要がありました。

売却を決意したMさんは、早速、最寄りの不動産業者で、自宅の売却を依頼するために、査定の依頼をされます。

ところが、査定をした不動産業者から出てきた返答は、なんと…

「債務が残ってしまう場合、ご自宅の売却はできません。返済不足分を現金で用意できれば、売却はできますが。」

…というものだったのです。

予想外の返答を受けたMさんは、とりあえず、無理を承知で、不足分が何とかならないかと、ご実家にへと打診をされてみます。

しかし、あいにく600万円以上の不足分を用意できるほどの現金は、ご実家は持ちあわせておりませんでした。言うまでもなく、Mさん自身もそんな大金を持っているわけがありません。

インターネットで任意売却という方法を知る

予想に反して、売却ができないという状況に、途方にくれてしまったMさん。ローンに関する悩みは、とても恥ずかしかったこともあり、誰にも相談できずにいました。

そんな途方にくれていたある日、インターネットで任意売却という方法を知ります。

恐る恐る、任意売却を扱う会社に相談をされたMさん。

売却の相談を通じ、自分の望む通りの方法で、自宅の売却ができることを知り、心の底からホッとされたのでした。

その後、任意売却のデメリットもきちんと確認し、改めて、任意売却を決めたMさんは、相談をした会社にて売却の依頼をされることとなります。

任意売却の販売活動

売却の依頼後は、生活を立て直すために、Mさんご家族は、ご実家へとすぐに引っ越しをされていきました。

その結果、販売活動開始の段階では、既に、空き家となった状態でした。

そのおかげもあってか、なんと2ヶ月ほどで、買い手がすぐに現れることとなったのです。

その後のMさん

無事に任意売却が終わった後、Mさんの債務は600万円近く残ってしまいましたが、債権者の了承をもらい、毎月1万円ずつの分割払いでの返済を認めてもらうこととなりました。

なお、ご実家へと戻られた後は、収入はかなり大幅に下がってしまったものの、正社員での再就職が可能となり、また、毎月わずかながらの残債務の返済金だったので、奥様と3人のお子様を抱えて生活を続けていくことができました。

補足

当初、売却を検討し始めた段階から、借入金が多少残ったとしても、残債について継続して支払いをしていくつもりだったMさん。

任意売却の相談をされる前においては、債務を残して売却した場合、今までのローン返済金額を支払っていくのだと思い込んでいたそうです。

そのため、任意売却が終わった段階では、毎月の支払金額が1万円になったことにさぞかし驚かれていた様子でした。(相談の段階では、騙されているのではないのかと、ちょっと思っていたそうです。)

まとめ

自宅を売却したくても、任意売却を取り扱っていない不動産会社であれば、Mさんの事例にように、「売却はできません!」と断ってくる可能性もいまだ多く存在します。

したがって、ローンの支払が苦しくなり、不動産を売却するようなケースにあたっては、基本的には、任意売却という流れになりますので、普通の不動産会社よりも、任意売却を扱う会社のほうが基本的には望ましいでしょう。

なお、この点に関しては、状況に応じた相談相手を見極める必要性が出てきます。もちろん、任意売却の会社であれば、どこでも良いというわけではありません。

【参考】

さらには、ローンを滞納していない段階では、個人信用情報機関に延滞情報が登録されていませんので、このことをきちんと確認した上で、手続きを進める必要があります。

参考:『任意売却をすると、ブラックリストに載りますか?

ローンの支払いに苦しんでいるようであれば、依頼の前に、『会社選びのポイント一覧』も参考にされるなどして、相談をしてみてください。