引越し費用を確保して任意売却

引っ越し

自宅を売却するには、物件を引き渡す必要がありますので、引越し作業は、必要不可欠です。そして、引越しには、新しい居住先に住むための前家賃や敷金等、そして、家財や荷物等を搬出・搬入する際の費用がかかるのが一般的です。

この点、任意売却をされる多くの方の場合、自宅を売却しようと思っても、引っ越しをするための資金がありません。

したがって、こうした事情を踏まえ、多くの任意売却では、債権者から、引越し費用を控除経費として認められているのであります。

参考:『任意売却で引っ越し費用がもらえる理由

任意売却で引越し費用を捻出して、引っ越しをされたTさん

貯蓄を取り崩しながら、ローン返済が困難になっていったTさん

自宅マンションを購入当初は、500万円以上の貯蓄があったTさん。勤めていた会社は、大手の会社。購入して暫くの間は、何事もなく、平穏に暮らしていました。

ところが、マンション購入から7年ほど経った時、会社の業績悪化によって、退職よぎなくされることになります。

奥様と子供3人を抱えながら、転職活動を行なっていましたが、年齢的なこともあることから、なかなか希望するような仕事に巡りあえません。

失業中は、給付金と貯金で食いつなぎ、何とか住宅ローンの支払を続けてきましたが、予想以上に、時間の経過は早く、いつも間にか、失業保険の期限も切れ、次第に貯蓄の中から、ローンの支払をするようになっていったのです。

あいにく折りしもの不況により、前職と同じだけの収入を得る職種に就くことは、非常に困難でした。

希望する職種を変更し、再就職を優先して、Tさんは働き始めました。奥様もパートにでるなどして、家計の収支改善に努めました。

しかし、それでも、前職で得ていた収入に見合うローン返済は、Tさんの場合、かなり厳しかったのであります。

任意売却を決意した段階で、貯蓄額はほぼゼロ

奥様といろいろと話し合い、自宅を任意売却することに決めたTさん。この段階では、購入当初あった500万円の貯蓄はほぼゼロの状態。

貯蓄のほとんどを、住宅ローンの返済に充当してしまったので、引越しをするだけの資金がなかったのでした。

当初、任意売却の相談の段階で、Tさんは、引越し費用がないことを懸念されておりました。

ちなみに、Tさんが、任意売却前に、引越業者に見積をとったところ、引越し費用が80万円かかると言われたのでした。

引っ越し代を確保するための対処

Tさんが住んでいた自宅マンションは、比較的購入者が見込める需要があるマンションでしたので、売却活動を開始すれば、すぐでも任意売却がまとまりそうでした。

しかし、もしすぐに購入者が現れて、売却をすることにでもなれば、Tさんご家族は購入者の事情にあわせて、引っ越しを即座にしなければなりません。

この課題をどうするか、それなりの方策が必要でした。

この点、Tさんの場合、引越し費用を確保するための具体的な方策は、『引っ越し費用がなく、どうしたらよいでしょうか?【前編】』『引っ越し費用がなく、どうしたらよいでしょうか?【後編】』で述べたような方法が主たるものとなりました。

Tさんの場合、任意売却の相談が、ローンを滞納して1ヶ月目の段階で、見積り金額が多額に上りましたので、こうした方法が、一番でした。

Tさんのその後

引越し費用が貯まる前の段階から、売却の活動は開始されていましたが、ちょうど引越し費用の目星がついた段階で、タイミングよく購入申込が得られました。

債権者からも多少なりとも引越し費用を認めてもらえましたので、無事に引越しをすることができ、任意売却の取引は滞り無く行われました。

なお、引越しにあたっては、任意売却の際に引越し費用も債権者に認めてもらう一方で、打ち合わせどおり、貯蓄をして費用を貯めることができましたので、滞り無く引越しをすることができた次第です。

借入債務は、1000万円以上残りましたが、毎月わずかながらの分割弁済で、債権者から了承を得ることができました。(Tさんのご希望で、破産は選択されませんでした。)

任意売却にあたっての引越し費用に関するまとめ

任意売却では、債権者から、引越し費用が認められることもありますが、あいにくその金額に関しては上限があります。

特に、住宅金融支援機構などといった借入先では、任意売却にあたって、金額どころか、引越し費用そのものを次第に認めなくなってきているのが現状です。

こうした中、ご自身で、任意売却をすると決めても、引越し費用の点で、必ずしもスムーズにいくとは限りません。

よって、引越し費用の件で、少なからず懸念を持たれているのであれば、任意売却を扱う会社に相談をされ、収支計画を踏まえて、引越し費用をどのようにして確保するのが良いのか、入念に相談をされるのが良いが一番であります。

このことは、取りも直さず、一般的な不動産仲介会社では見られない、任意売却の専門会社に相談をするメリットでもありますので、ぜひこのことを理解していただきたと存じます。