ゆとりローンの返済が困難となり任意売却

ゆとりローン

ゆとりローンは、商品として、展開されてから20年以上の時間が経過し、また、商品の廃止がなされてからも、10年以上の時間が経過しています。

参考:『ゆとり返済ローンと任意売却

しかし、返済を継続されている方は、未だ多くいらっしゃいます。

金融商品としての展開、そして制度が終わっても、ローンそのものがなくなるわけではありませんので、当然です。

もちろん、良いタイミングで、借り換えができていたり、繰り上げ返済が行われたりしていれば、多少なりとも負担は軽減されているはずでしょう。

しかし、そのような方は、残念ながら、少数であり、手続きが取れなかった方々のほうが大多数です。

10年以上の時間が過ぎていながらも、ローン残高は一向に減っていない状況に、皆さん、溜息を漏らされています。

ゆとりローンを組み、返済が困難となったMさんのケース

家賃の支払額と変わりがなく、収入は増えていくだろうと考えていたMさん

Mさんは、サービス業を自営で営む40代後半の男性。ご家族は、奥様と娘様の4人暮らし。

約15年前に、住宅金融公庫で、ゆとりローンを組み、自宅マンションを購入しました。

購入のきっかけは、毎月のローン返済金額が、購入前に住んでいた賃貸マンションの家賃と、さほど変わりがなかったことです。

Mさん自身、少なからず、当時の収入は比較的安定しており、不安は少なからずあったものの、ご家族のためのマイホームと考え、意を決し、住宅ローンを組み、購入したのでありました。

もちろん、ゆとりローンを組めば、返済が10年目以降から金利が2倍になることは、Mさんは知ってはいました。

しかし、その頃になれば、多少なりとも、事業の売上もきっと増えているはずであり、奥様もパートにでも出るなどすれば、大丈夫だろうと考え、あまり深くは捉えてはいなかったのであります。

余裕はそれほどあったわけではないのですが、マイホームを購入し、それなりの生活は送れてはいたのでした。

10年目以降の返済額アップと不景気によって返済が困難に…

ところが、売上は、毎年伸びていくだろうと考えていた当初の思惑とは異なり、営んでいた事業の売上はあいにく横這いの状態が続くことに…。

それに合わせて、10年目以降に、ローン返済金額が倍近くに膨れ上がってしまったことが契機となり、家計の収支は大幅に悪化することになってしまいます。

奥様もパートにでるなどしてきて、ローン返済は何とか、やってこれましたが、しかし、折しもの不況と市場環境の変化によって、増える見込みだったMさんの売上は、逆に大幅に減少してしまうことに…。

収入の悪化に伴い、貯蓄を取り崩しながら、凌いできましたが、収支は、なかなか思うようには改善がなされません。

そんな中、娘さんたちの成長に伴い、進学にあわせた教育費も年々次第にかさむようになっていき、次第に住宅ローンの返済が、家計を大幅に圧迫して、返済が厳しくなってきたのです。

娘さんたちへの教育進学を最優先に考えたMさん。

いまだ借入残高が3000万近くあることに、改めて溜息が漏れ、自宅を持ち続けることに関して、強い不安を感じたMさん。

任意売却の相談を機に、思い切って売却することを決意したのであります。

任意売却の活動開始

Mさんは、インターネットで、任意売却の会社を見つけ、任意売却の相談とともに、売却依頼をされました。

自宅を保有し続けることに関しては、見切りをつけ、早速、住宅ローンの返済を止めることとなりました。

半年後には、期限の利益が喪失され、その後、まもなくして、任意売却の活動が開始されることとなったのです。

その後のMさん

それからして、約5ヶ月後に、無事に購入希望者が現れ、最終的には、1000万円にて任意売却が完了しました。

残債務は2000万円近く残ったものの、毎月の返済額は10,000円で、債権者より了承が得られたのです。

さらには、奥様のご実家方面へと引っ越しができ、多少なりとも、親御様からのご協力がいただけることとなりました。

結果として、生活の負担がかなり解消されましたので、Mさん自身、任意売却によって、かなりホッとされたご様子でした。

これまで住宅ローンに当てていた部分が、売却によって、娘さんたちへの教育費へと充てられましたので、Mさんご夫婦は、ご満足のご様子でもありました。

まとめ

ゆとりローン

ゆとりローンを組まれた方は、「今後も継続的に収入は伸びていき、無理な購入ではないとから、大丈夫だろう…。」と捉え、住宅ローンを組み、購入をされていらっしゃいます。

もちろん、その考えは、当時、妥当したことは確かです。

しかしながら、経済環境の変化によって、その考えは修正を余儀なくされてきています。

ローンを組んでも、返済期間の途中で、安い金利へと借り換えが出来れば大きな問題は発生しませんが、実際として、それができない方がほとんどなのであります。

現実として、不動産価格の下落とともに、元金が価格に応じて減っていることは稀です。さらには、ゆとり返済ローンについて言えば、当初の10年間の返済は金利分の支払がほとんどです。

不動産価格の目減りとともに、元金が減っていなければ、現実、借り換えを行う金融機関はほとんどないです。

まして、Mさんのように、個人事業で自営業を営む方であれば、金融機関は、個人事業主への融資を積極的に行いません。

今後の対処

今後、一部の地域を除いて、不動産価格は下落する一方です。

デフレ環境が進んでいる現在においては、現在の価格に見合わない借入金額に対し、返済を行なっているのが実情なのです。

家計の収支を改善させるためにも、思い切って、自宅を売却したほうが、家族が幸せになれる可能性はあります。

特に、ゆとり返済ローンの場合、それが妥当するケースが多いです。

もし、ゆとり返済ローンで苦しまれる方がいらっしゃるようであれば、早めに家計の収支見直しをされることをぜひオススメいたします。

必要に応じて、金融機関や任意売却の会社に相談をされてみるのも良いでしょう。

(弁護士などに相談を行いますと、破産を勧められることが多いです。自営業者の方をご注意ください。参考:『任意売却は弁護士などの法律家に相談しても解決する?』)

もちろん、任意売却をすれば、債務は残り、毎月の支払金額は継続しますが、仮にそうであったとしても、日々の生活が改善されることは多いです。…特にゆとり返済ローンの場合は。

それこそ、ゆとり返済ローンをとめることで、逆に、生活自体に「ゆとり」がでてくるのだと思います。

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