ゆとり返済ローンと任意売却

ゆとり返済ローン

ゆとり返済ローンとは、かつての住宅金融公庫が取り扱っていた住宅ローンのことです。(※ステップ返済ローンとは、年金住宅融資が取り扱っていた住宅ローンのことです。)

今はないですが、平成4年頃に、かつて展開された住宅金融公庫の金融商品(住宅ローン)です。

ゆとり返済ローンの特徴

ゆとり返済ローンの特徴は、最初の5年間は、50年間の返済計画の金利設定をすることによって、返済金額が低く抑えられることです。

ゆとり返済ローンを利用すれば、年収や自己資金があまりなくても、また、結婚したばかりの夫婦でも、マイホーム購入がすぐに可能でした。

目論見通り、多くの方から大きな支持を受け、利用する人が増えたのです。

ゆとり返済ローンのコンセプト

そもそも、ゆとり返済ローンのコンセプトは、年齢とともに所得(収入)が増えることを前提とした、終身雇用体系の給与が根拠でした。

借入から5年経った後、年齢とともに、収入が増えたのにあわせて、返済金額を増やしたのであります。

バブル崩壊から数年しか経ていない段階では、いずれ不動産価格は、再び上昇していくだろうという見通しがあったのです。

当時、ゆとり返済ローンを利用し、マイホームを購入した人は「6年目の返済金額が上がる頃には、給与も増えているはずです!なので、問題ないでしょう。」という不動産業者のトークを鵜呑みにさえしていたのでした。

年齢とともに昇進し、収入が増えるのは当然と考えられていた時代からすれば、疑う余地はなく、皆信じていたのです。

ゆとりローン返済の問題点

ところが、景気はますます悪化。

不動産価格はさらなる下落を続け、終身雇用は崩壊してしまうような状態に…。

多くの会社では、生き残りをかけて、コスト削減策を取り入れていきました。

その結果、有期雇用の派遣社員などが増加し、正社員は、賞与が削減され、リストラをされる状況までになり、給与は上昇するどころか、減少すらしていく状況にまでなってしまったのです。

こうした中、ゆとりローン返済での毎月の返済金額は、6年目以降は、通常金利に戻ることで、返済金額がドンと膨れあがります。

最初の5年間は、ほとんど金利のみの支払です。元金が殆ど減っていませんので、6年目以降の支払いは、当初の5年と比較すると、大幅に返済金額が増えます。

まさに、思惑通りの反対の景気状況となったことで、レバレッジに失敗したかのごとく、時代の流れにそぐわない問題点が出てきてしまったのでした。

この結果、ゆとり返済の当初の5年を経過した利用者から、住宅ローンの滞納者が続出し、自己破産などを選択される方が急増して、社会問題にさえなりました。

その後のゆとり返済ローン

その後、ゆとり返済ローンは、実施後、わずか2年ほどで見直しがなされました。

しかし、その後も、支障をきたすローン利用者が相次いだため、最終的には、平成12年に、住宅金融公庫のゆとり返済ローンは廃止されることとなったのです。

現在の状況

言うまでもないことですが、ゆとりローン制度が終了しても、ローン自体は残ります。

ゆとりローン返済に関しては、多数の問題点があったたため、返済額が増えることを懸念して、多くの方々が、住宅ローンの借換えなどをされていきました。

しかし、現実には、少なからず、それができない方もおり、結果として、任意売却を選択された方はかなりの数いらっしゃいます。

現実に、今まさに苦しんでいる方は多くいらっしゃるのです。

当初の5年間の期間が、10年間まで延長する策もとられましたが、その期間終了後、ゆとり返済ローンによって、返済に困窮している方は、今、まさにいらっしゃるのです。

まとめ

今後の景気先行きに対する見通しは、残念ながら、確実に明るくなるとはいえないでしょう。

ゆとり返済ローンで、もし苦しまれる方がいらっしゃるのであれば、早めの対策を講じて、次の手を打つことが望ましいです。

恐らく、ゆとり返済ローンの利用者は、現在、50歳以上の方がほとんどでしょう。

年齢的なことを踏まえると、今後、毎月のローン返済額は、かなりの負担となるのは確実です。

任意売却によって、もし解決できるのであれば、少しでも早く対処したほうが良いです。

精神的にかなり楽になれるはずです。

取り扱い窓口の金融機関でも良いですので、ぜひ早めのご相談をオススメいたします。

補足

ゆとりローン返済を、昔の制度と捉えていらっしゃる方は結構多いのですが、実は同じような制度は身近にも存在します。

例を挙げれば、「フラット35」がその最たる例ではないかと思います。

もちろん、以前とは異なり、フラット35の融資審査もかなり厳しくなりましたが、審査が緩かった時期に、借入されている方というのは、相当数上るはずです。

この点では、ゆとり返済ローンと大きく異なるところはないです。

その他、ここ最近は選択する人も少なくなってきましたが、「ボーナス払い」も、その一例です。ボーナス払いを併用すると、毎月の返済金額を低く抑えることが可能だからです。

住宅金融支援機構(住宅金融公庫)の方策が悪いわけではありませんが、一定の政策の中で、不利益を被る方がいらっしゃるのが、実情です。

ローン返済ができなくなると、基本的には、競売か任意売却かのどちらかで、自宅を売却する必要性がでてきます。

こうした中、極力、任意売却をしないためには、購入をする段階から、計画的な購入計画が大事です。

参考:『任意売却を避けるため購入計画は慎重に

そして、もし、無理な借入をし、購入してしまった後であれば、早めの段階で、任意売却を検討することも方法の一つです。

特に、借入金の返済の件で、ご夫婦ないし家族の間で不和が生じているのなら、なおさらです。

不動産の購入は、家族を幸せに導く一手段です。

この事実をご理解いただき、任意売却をすることが、家族の幸せにつながることも、ぜひご理解していただければと存じます。

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