銀行員の豹変した態度に驚き任意売却

銀行員に対する世間一般のイメージ

銀行員の世間一般のイメージは、以下のようなものが挙げられます。

  • 真面目で几帳面
  • ピンとした丁寧な対応
  • 謹厳実直
  • 立ち振る舞いが品行方正でおとなしい

普通のサラリーマンの方であれば、銀行員の方と話をする機会など、滅多にありません。

テレビドラマやテレビCM、新聞広告などのメディアのイメージをそのまま受け取られている方が多いですので、このようなイメージ、当たり前といえば当たり前です。

しかし、銀行員の実際の本性は、全然違います。

「借りた金が返せなくなったとき」に、本性が現れるのです。

最初に植え付けられた銀行のイメージがクリーンなだけに、そのイメージが反転したときに、皆さん、ビックリされます。

銀行員へのイメージが変わってしまったWさん

勤務先の業績悪化と収入が減ってしまったWさん

Wさんは、都内中小企業に勤務している40代半ばのサラリーマン。ご家族は奥様と娘様2人の4人暮らし。

約15年前に、自宅マンションを購入して、ごく普通に暮らしておりました。

ところが、マイホームを購入して10年ほど経った時、不況の影響の煽りを受け、勤務先の会社が業績悪化。

結果、Wさんの賞与は大きく削減されてしまい、手取り収入は大きく落ち込んでしまうことになったのです。

奥様も正社員として勤めてはいましたが、2人の娘様の私立学校の進学に合わせ、教育費が大きくかさむようになり、ご夫婦の収入を合わせても、依然、家計の生活収支は厳しく、貯蓄を崩しながらの生活が続きました。

そして、賞与が減ってからの数年は、ローン返済が大変苦しく、ご親戚や身内からもお金を借りていたこともあり、ご家庭内での不和も多少なりとも、出始めていました。

そんな中、インターネットで、任意売却のことを知り、Wさん、改めて自宅売却を検討するようになっていきます。

翌月のボーナス返済が苦しくなって、任意売却の相談

気に入っていた自宅マンションだけに、手放すことはできれば避けたく、躊躇があったWさん。

しかし、翌月のボーナス返済が困難である状況まで来ていたために、Wさんご夫婦は、思い切って、任意売却の相談をされたのでした。

任意売却の相談を通じた結果、現実として、自宅の保有継続は困難であると判断。

この判断を受けて、Wさんご夫婦は、改めて任意売却で進めることを決意し、翌月のボーナス返済をストップされました。

ボーナス返済がストップ後、銀行に訪問

翌月のボーナス返済が止まった以降、銀行からは、口座未入金のお知らせが届いただけでした。

律儀なWさんは、これを受け、毎月のローン返済も継続して支払っていくことが難しかったために、銀行への誠意ある対応の一環として、Wさんは、改めて任意売却の申入をするために、窓口の銀行に出向いたのです。

口座を作って以降、何度も、お金の預入をしてきたWさんは、銀行や銀行員に対し、「とても丁寧な対応」という印象を持っていました。

それだけに、誠意をもって説明をすれば、きっと理解してくれるだろうと期待をしていたのです。

しかし、残念ながら、その期待は、大きく崩れることとなります。

任意売却の話をしたところ、銀行員の対応が豹変

Wさんは、ことの経緯を打ち明け始め、任意売却の話が終わらないうちに、銀行員(担当者)の表情が突如変わって、Wさんの話を遮ったのです。

「Wさん。自宅売却をするのは結構ですが、まずは今月支払いができなかったローン返済が先ですよ!今月のローン返済をしてください。話はそれからです!」

銀行員の冷淡な対応を目の当たりにして、驚いたWさん。

現実として、今後、ローンの返済が継続してできないから、申入に来たのに、事情さえも理解してもらえず、イメージを持っていた対応とは打って変わって、冷淡な表情で切り返されてしまったことに、ビックリされたのです。

そして、銀行担当者の口撃は続きます。

「Wさん、ここで頑張らないと…。ここが山場なんです。滞納なんて絶対にダメです。何としてでも支払って下さい。ご身内の方に相談されましたか?」

あまりに生々しい返答に、Wさんはショックです。八方手を尽くし、返済ができないから申入をしたのですが、それが…聞き入れてもらえずに、ショックでした。

さらに、銀行担当者の口撃は続きます。

「任意売却なんて、簡単にしてはいけません!任意売却なんてしたら、信用情報に傷がつくんです。そうなったら、もうお金を借りられなくなるんですよ。」

「あなたの信用がなくなると、最終的に、一番困るのはあなたなんですよ! Wさん、わかりますか?」

これを聞いて、Wさんは何も言えなくなってしまいました。

こんなこと、想像さえしていませんでした。

「これが今まで丁寧に対応してきた銀行員の言葉なのか!口座を作ってから、15年以上にもなるというのに…。」と思ったWさん。

ローン返済ができないこと以上に、銀行員の態度が突如変わってしまったことの方が、Wさんにとっては、ショックでした。

任意売却担当者に介入してもらって、ローン滞納を継続

銀行員からの一連の対応後、Wさんは、すぐさま任意売却のスタッフに連絡。

「なんか、任意売却、できそうもないみたいです。どうしましょう?」と。

Wさんの言葉を受けて、すぐさまスタッフは、銀行員に連絡し、今後、支払が難しい旨を説明します。

あいにくながら、電話では埒があかなかったため、直接銀行まで出向き、銀行員との話し合いを開始します。

当初、「ローンの滞納は絶対認めない!」と言っていた銀行員も、スタッフからの口撃には、さすがに苦慮が隠せませんでした。

次第にWさんの事情を理解してくれるようにはなり、最終的には、任意売却での方向性を理解してくれるようになったのです。

この結果を受け、Wさんは一安心。継続してローンの支払いが止まったのでした。

任意売却の活動開始とその後のWさん

その後、数ヶ月、ローン滞納が続いた後、保証会社による代位弁済がなされて、任意売却の売却活動は本格的に開始。

幸い、奥様による自宅マンションの手入れが良かったこともあり、2ヶ月ほどの活動期間で買い手があらわれました。

さらに2ヶ月後、ご家族でお引越しをされて、無事に任意売却は完了。

残った債務は1000万円近くになりましたが、毎月の支払いは1万円ずつにて了承がもらえました。

以前とは比べ物にはならないくらいの支払金額に、何よりホッとされたWさん。

なお、保証会社による代位弁済後は、保証会社の担当者とも話し合いがありました。

しかし、こちらは、当初の銀行担当者と打って変わって、和やかに行われました。

任意売却の決済の際、一連の出来事を振り返り、Wさんが…

「(保証会社の方は、)すごく対応は丁寧で、理解してもらえました。…銀行の方とは全然違いますね。…あはは。」

とおっしゃっていたのが、とても印象的でした。

まとめ

銀行の対応について

Wさんの事例は、金融円滑化法が施行される前のケースです。

今現在では、ローン返済が難しい方に対し、リスケジュールなどで柔軟に応じるよう、金融機関に努力義務が課せられましたので、いきなり上記のような対応をしてくることはないでしょう。

参考:『任意売却を始めるにあたって、大事な最初の行動【前編】

ただ、金融円滑化法が終了するに伴い、今後の債務者への対応は、個別の金融機関の努力義務に依存するところが大きくなることを踏まえると、上記のような対応をしてくることも否定はできません。

したがって、銀行員が突如対応を豹変することがあっても、慌てることなく対処することが重要です。

なお、任意売却は、期限の利益喪失がなされていませんと、基本的には進められませんので、Wさんのケースで、銀行員が回収を強く行う対応も、初期段階としては、ある意味、理にかなっているのは確かであります。

参考:『期限の利益喪失とは何でしょうか?

実際の銀行員(担当者)について

銀行員(担当者)は、基本的には、マニュアルに沿って動くだけです。

Wさんのケースにおける銀行担当者の対応は、銀行組織の立場からすれば、極めて理にかなっていることです。

融資したお金が、戻らなくなれば、会社(銀行)にとって、多大なる損失となるのですから、債務者の返済状況が悪化すれば、返済を強く要請するのも、もっともなことなのです。(※もちろん、住宅ローンには保証会社が付いているのが一般的ですので、銀行自体は損をしませんが…。)

特に担当者が若ければ若いほど、そして、数字のノルマがキツイ銀行ほど、銀行の上層部に対して、パフォーマンスをあげることに必死です。

銀行員に対する世間一般のイメージは、冒頭で述べたとおりですが、貸付と回収をしなければならない関係上、実際の銀行員は、2重人格の面があるのが確かです。

したがって、もし、銀行員の態度が豹変することがあっても、「ええっ!テレビにでてくる銀行員と全然違う!」などと、ビックリされないよう、事前の心構えが必要です。

補足

任意売却に慣れた担当者であれば、銀行員の態度が豹変することなど、ある程度わかりきったことですので、冷淡な対応をされても、その対処方法がわかっています。

この点は、任意売却の専門会社と一般の不動産会社と大きく異なるところです。

参考:『任意売却の専門会社と一般の不動産会社の違いは?

任意売却を依頼される際に、Wさんのようなケースも想定して、担当者が動いてもらえるのかを聞いておくことが大事です。

参考:『担当者が柔軟な行動をもって対応してくれるか?

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