初めての任意売却

任意売却のメリット

任意売却のメリット

競売とよく比較される任意売却ですが、一般的に言われるメリットをそのまま鵜呑みにせず、個々人に沿う形で、検討することが大事です。

実際にメリットを享受できるかについては、依頼される不動産会社の相談を通じ、ご確認ください。

メリットのみならず、任意売却のデメリットも含めて理解することが大切です。

競売と比較した任意売却の一般的なメリット

以下の表の各項目は、多くの任意売却サイトで、メリットとして謳われているものです。

任意売却 競売
売却価格 時価の8~9割程度の価格(※) 時価の6~7割程度の価格(※)
残債務の金額 少ない 多い
ご近所に知られる可能性 低い やや高め
引越し費用 確保できる可能性あり 確保できる可能性少なめ
余剰金が受け取れる可能性 状況によってある 任意売却と比べると低め
第三者による心理的サポート あり なし

(※上記の任意売却(8~9割)、競売(6~7割)というのは一つの目安です。ご理解ください。)

以下、簡単な注釈です。

売却価格

任意売却の価格が、競売の価格に比べて高くなるのは、債権者が債権の最大回収を目的とするからです。

裏を返せば、任意売却での価格が、競売と同じ、もしくはそれ以下になるのであれば、債権者にとっては任意売却する意味はないです。

したがって、競売よりも、任意売却の価格のほうが高くなるのは、必然です。

【実際】のところ…

任意売却の際、債権者が想定する競売価格は、あくまで、過去のデータから導き出された想定価格に過ぎません。

実際に、その通りの金額になるかは、競売で落札されないとわかりません。

物件によっては、任意売却での価格を上回ることさえありえます。

任意売却の価格が競売よりも高くなるのは、債権者が高い価格を要求するため!

残債務の金額

前記売却価格にも関連しますが、売却価格が高くなれば、自ずと残債務も少なくなります。

残債務を減らしたいのであれば、競売よりも任意売却のほうがメリットがあります。

【実際】のところ…

住宅ローンを滞納し、任意売却を検討し始める段階では、皆さん、極力、残債務を減らしたい考えを持っており、このメリットを望むため、任意売却を選択されます。

しかしながら、このメリット、実際は、言われるほど、大きな効果はないです。逆に、そうしたメリットを感じ取れるケースは、かなり少ないと思われます。

理由は、任意売却によって、残債務を減らせたとしても、結局、すべてを支払うことができない現実には変わりがないからです。

平たく言えば、数百万円残債が減ったとしても、生きている限り、残った債務(※例えば、500万円くらいの残債であっても)を全部支払い切るのは、不可能だからです。

売却依頼主様は、この事実を、任意売却を進めていくうち(または任意売却を終える段階)にて、理解されることとなります。

そんなわけですので、売却依頼主の皆さんは、最終的には…

「売却価格に関しては、お任せします。」という結論に至るようになります。

もちろん、任意売却を選択し、残債務を減らせた結果、連帯保証人に迷惑をかけなかった例などもありますが、こうしたはケースは少数です。

どちらかと言うと、「残債務を減らせる」というメリットは、債務者よりも、債権者が享受できるものと言えます。

残債務を減らせるメリットは、債務者以上に、債権者が望んでいること!

ご近所に知られる可能性

任意売却の売却活動は、普通の不動産売却活動とほぼ同じです。住宅ローン滞納の事実を、ご近所の方に知られることは、まずないです。

ただし、任意売却に際しては、取引条件に瑕疵担保免責条件がつきますので、売買契約の段階で、完済できない事実を、買主様に伝えることになります。

このため、買主様には知らせず、取引を進めることはできません。

一方、競売では、不動産競売情報サイトやアットホーム、新聞などで、競売にかかったという情報が広く公開されることになります。もし、ご近所の方がチェックしていれば、知られる可能性はあります。

【実際】のところ…

ただ、競売が開始されたとしても、ご近所の方が、その事実を実際に知ることは、殆どないでしょう。

理由は、競売になってしまう物件数が、かなりの数に上り、ご近所の方が、それらを逐一チェックしているとは思えないからです。

これまで、不動産情報誌に掲載された競売物件情報をご覧になった「売却依頼主様(※横浜の方)」には…

「う~ん。正直、ビックリです。こんだけの数が、実際、競売になっているのですね。任意売却をするから、私も気になって、こうしたものを見てますけども…普通、まず見ないですよね~。」

などと言われたことがあります。

ご近所の付き合いが密接な関わる地域であればともかく、都心部のようなマンションでは、まず知られることは、競売であってもないはずでしょう。

そんなわけですので、ご近所の件については、それほど大きなメリットにはならないと思われます。

都心部であれば、競売であってもご近所に知られる可能性は少ない!

引越し費用

任意売却の場合、引越し費用は、多くの債権者が、売却代金の中から、控除経費として認めてくれます。(※すべての債権者ではありません。)

それに対し、競売の場合、引越し費用は、買受人(落札者)が占有者に渡してくれることもありますが、このような交渉は、居住者(占有者)独自に行う必要があります。

基本的に、買受人には引越し費用の支払義務はありません。強制執行費用との絡みからも、渡さない買受人も徐々に増えつつあるのが実情です。

このような交渉難易度が高い点を踏まえると、任意売却のほうが、交渉担当者が入るので、捻出できる割合は高くなります。

【実際】のところ…

任意売却における、現実的な引越し費用の金額は、「失敗しない任意売却」で述べた通りです。

このため、実際にかかる引越し費用には、少なからず不足分が生じますので、その分を補う必要が出てきます。

任意売却で進める場合、住宅ローンの支払いが止まり、その分を引越し費用に充当することができますので、こうした点では、引越し費用を捻出できる可能性は、競売よりも高くなります。

一方、何も対処せず、競売を選択した場合、債権者は競売の申立をし、競売手続きは進行することになります。

東京地裁本庁の競売事件では、競売開始決定から4ヶ月ほどで、開札期日を迎えることになります。こうした中で、引越し費用を確保するのは、やや困難です。

時間的な都合上、任意売却のほうが引越し費用を確保できる可能性が高い!

余剰金が受け取れる可能性

売却価格にも関連してくることですが、任意売却の場合、競売よりも売却価格が高くなるのが一般的です。

これによって、仮に、売却価格が借入残高を上回った場合には、借入金は完済となり、余剰金(現金)が受け取れる可能性があります。

【実際】のところ…

残念ながら、余剰金を受け取れる可能性は、現実の数としては少ないです。

もちろん、まったくないわけではありませんので、こうした点を考慮して、任意売却を選択されるメリットは当然にあります。

ちなみに、余剰金が受け取れるケースを挙げれば…

  • マイホーム購入時に、自己資金をそれなりに組み入れていた場合
  • 繰り上げ返済などをし、ローン残高が減っている場合
  • 東京23区内にある人気エリアで、購入需要がある物件の場合

…が該当すると思われます。

余剰金を受け取れるケースとしては少ないが、状況によってはある!

第三者による心理的サポート

任意売却を依頼すれば、担当者と密に連絡をとることになりますので、電話ないしメールでのやりとりで、抱えている日々の不安は多少なりとも解消されていきます。

もちろん、任意売却の場合、債権者との話し合いが生じますが、その対処方法は、担当者がバックアップしますので、必ず乗り越えられます。

話し合いは、そんなに難しくないです。

一方、競売の場合、債権者との話し合いはありませんが、基本的には、話し相手がいませんので、自分一人でこなしていかなければなりません。

もちろん、任意売却でまとまらず、競売になってしまった場合、仲介業者が最後までバックアップしてくれるでしょう。

しかし、そうでない場合(※最初から競売を選択された場合)では、不安を抱えつつ、日々を過ごしていくことになります。

【実際】のところ…

ローン返済が苦しい中で、心理的サポートが得られるのは、想像以上に効果が大きいです。

任意売却は、基本的に、実費の負担がほとんどありません

任意売却にしても、競売にしても、生きていく現実は続きます。

任意売却を選択し、費用がかからずに精神的負担が軽減されれば、競売を選択するメリットは少なく、任意売却を選択するメリットは大きいと言えます。

相談相手がいて一人で抱え込まないことが、任意売却のメリット!

まとめ

運営者の立場から申し上げると、最後に述べた「第三者による心理的サポート」こそが、競売との比較で、任意売却がもつ一番のメリットだと捉えております。

心理的なサポートによって、精神的な負担が軽減されることが、やはり一番なのです。

苦しい胸の内が明かせない中で、一人で抱え込んでいるだけでは、大きな前進はありません。

任意売却のメリットは、人それぞれの状況によって異なりますが、個々の状況に応じたメリットを認識して、前向きな手続きを進めていただければと思います。

自分にあった任意売却のメリットを知ることがとても大事!