初めての任意売却

任意売却のデメリット

任意売却のデメリット

競売とよく比較される任意売却ですが、メリットがある一方で、デメリットも存在します。

任意売却のメリットのみならず、デメリットをも含めて、統括的にきちんと理解することが、とても重要です。

競売と比較した任意売却の一般的なデメリット

以下の表の各項目は、多くの任意売却関連サイトで、任意売却のデメリットとして謳われているものです。

任意売却 競売
債権者との話し合い あり なし
連帯保証人等の承諾 原則あり なし
担保権者の同意 あり なし
居住できる期間(※) 数ヶ月~約1年 約6ヶ月~約8ヶ月
内覧などのための時間確保 あり なし

(※任意売却で居住できる期間は、購入需要の多寡によって変わってきます。)

以下、簡単な注釈です。

債権者との話し合い

任意売却の場合、任意売却後の返済金額について、金融機関などの債権者と話し合いがでてきます。

基本的には、電話や書類などのやり取りが中心ですが、債権者の中には、個別の面談をとる会社もあります。

債権者との話し合いでは、お金が返せない立場上、どうしても、債務者の立場は弱くなるのは確かです。実際、これを懸念される売却依頼主(相談者)様も多いです。

これに対し、競売の場合、債権者からの電話や訪問があったとしても、それに応じないことは可能です。

債権者との話し合いについて

競売の選択は、基本的に、誠意ある対応とはいえませんので、あまりよろしくありません。

任意売却で必要とされる債権者との話し合いは、何度か行なっているうちに、乗り越えられます。

なので、あまり気にする必要はありません。

むしろ、債権者との話し合いをきちんとすれば、対処方法が身につけられるというメリットさえあると思われます。

話し合いの中で、任意売却後の残債務の支払金額(返済計画)を聞いてはきますが、これは、任意売却の担当者と密に連絡を取り合うことで、対処可能です。

債権者との話し合いは、誠意をもって対処すれば、大丈夫!

連帯債務者・連帯保証人の承諾

借入債務に、連帯債務者や連帯保証人がついている場合、原則、任意売却にあたり承諾が必要です。

これは、債権者が、任意売却の条件として、連帯債務者や連帯保証人の承諾を求めてくるからです。

この点、主たる債務者としては、「借入債務が残って、迷惑をかけてしまうので、連帯債務者や連帯保証人には会いづらく、しかも承諾なんて…。」という実際の気持ちでしょう。

一方で、競売の場合、裁判所によって、強制的に換価処分されてしまうので、承諾は不要です。

連帯保証人等の承諾について

これも、債権者との話し合い同様、迷惑をかけながらも、何もしないことですので、誠意ある対応とはいえません。

基本的には、あまりよくないことです。

人生における通過点の一つとして、やはり乗り越えていかなければなりません。

現に、債務が残り、連帯債務者や連帯保証人に迷惑をかけているのですから、これ以上、迷惑をかけないような、主たる債務者の行動は必要です。

連帯債務者や連帯保証人に対しての誠意ある行動が、良き配慮になると認識!

債権者の売却に関する承諾(同意)

任意売却の場合、担保解除にあたりすべての債権者(担保権者や差押債権者)の承諾(同意)が必要となります。

債権者のうち一社でも、売却に関する承諾が得られないと、任意売却は成立しません。

一方で、競売の場合、買受人がいる場合、裁判所が法律に則して、強制的に担保を解除することになりますので、債権者の承諾は不要です。

債権者の売却承諾について

債権者から売却承諾を取り付けるのは、原則、任意売却の担当者の仕事です。

売却価格や担保解除料の面で、債権者が折り合わないこともありますが、これは、売却依頼主の方が考えることではありません。

もちろん、競売になってしまうケースも、担保権者によってはあります。

ただ、住宅ローンを取り扱う一般的な金融機関であれば、任意売却がまとまる割合はかなり高いですので、債権者から売却承諾についての心配は特段不要でしょう。

債権者の売却承諾を得るのは、任意売却の担当者の仕事!

居住できる期間

任意売却の場合、売却活動が開始し、すぐに購入希望者が現われた時、概ね2ヶ月程度で、引っ越しを行う必要性が生じます。

対して、競売の場合、競売申立から開札期日までの期間は、約6ヶ月程度の時間があります。(※強制執行によって立ち退く場合は、さらに2ヶ月程度、延長されます。)

これを踏まえれば、任意売却の場合、購入希望者の状況次第では、競売よりも居住期間が短いこととなります。

実際に居住できる期間について

しかしながら、ここ最近の動向を見ると、必ずしも、競売のほうが長く住めるというわけではないことも事実です。

上記のようなデメリットは、物件が価格面や都心部の人気エリアで、強い引き合いがある物件に妥当するケースです。

皮肉にも、購入需要がやや欠ける地域の物件の場合、任意売却の期間は多少なりとも長期にわたり、競売の期間よりも長引くケースも結構多いのです。

さらには、住宅金融支援機構を始めとする多くの債権者が、初回の売出開始価格を高めに出すこともあり、売却活動を開始しても、すぐに決まらないのも実際です。

したがって、「任意売却を選択せずに、競売が進んだ場合の期間」と、「任意売却を選択し、売却がまとまった場合の期間」とでは、実際上、多少なりとも、任意売却を選択したほうが、長くなる傾向があるのだと思われます。

こうした点を考慮し、居住期間のメリットを優先させる場合、「任意売却を選びつつ、任意売却でまとまらず、競売となった場合」が、居住期間として最も長くなるのだと言えます。

現在、多くの場合、任意売却でも競売でも、居住期間にさほど差はない!

内覧などのための時間確保

任意売却は、通常の不動産売却と同じ手続きで進められます。

内覧希望者が内覧を希望する場合には、希望者のために、時間の確保することが必要です。

また、売買契約や決済(引渡)には、原則、関係当事者が介することになりますので、それらのための時間確保が必要です。

必要に応じ、お仕事の合間を縫って、スケジュール調整がでてきます。

これに対し、競売では、競売で落札した買受人と話し合って、進められることになりますので、任意売却に比べれば、時間の確保は多少なりとも軽減されます。

手続きのための時間確保について

内覧、売買契約、決済(引渡)などの時間を確保してまでして、任意売却をするのには、それなりに意味があります。

任意売却の場合、購入してくれる方のために、一定の時間を確保することになりますが、最終的には、一定の時間を割いたことで、契約や決済の段階で、売主様(売却依頼主様)対して、買主様から感謝の言葉がもらえることもあります。

このようなことは、もちろん、ささやかなことでありますが、その後、依頼主様にとって、何かしらの糧(プラス)となるのは確かです。

競売であれば、買受人から、「不法占拠者なんだから、早く出て行けよ!」と言われるのがオチです。

愛着がある自宅を手放すのであれば、気持よく手続きを進めるのが、何より素晴らしいことだと思います。

任意売却のための時間確保には、何かしらのプラス要因がある!

まとめ

最後に述べましたように、任意売却の場合、手続きのための時間が必要になります。

しかし、あえて時間をあえてのには、それなりの意味があります。

引越し費用を確保するにしても、また、買主様から御礼の言葉をいただくにしても、大きな意味があるのです。

状況次第では、債権者から、「任意売却にご協力していただき、どうもありがとうございました。」と言われることもあります。

単純に競売を選択された場合と、任意売却を自分の意思で選択された場合とでは、何かしらの大きな差となって現れてきます。

このことの意味を、任意売却を選択することで、実感していただきたいと思います。